
子供の頃、テレビのバラエティは字幕がないのが当たり前だったのが、しだいに字幕が出るのが当たり前になってきました。聞き取りにくい場面でもわかりやすいメリットがありますね。
ただ、聞き逃さないよう集中して聴く気持ちは低下したと思いますし、聞き取りにくかった場合に脳内で補完する能力は低下したように思います。
Youtubeで動画を見る生徒も多いと思います。字幕もあって見やすい、楽しい。勉強動画もあるのでうまく使うのは賛成ですが、映像、字幕、音声がそろった動画ばかりを見ていると少し心配です。
英語に想像力が必要
英語は聞き取れない単語がいくつかあるだけで何を言っているのかわからなくなりますが、日本語であればなんとなく理解できます。話の前後や聞き取れた単語から脳内保管できるからです。
なので、リスニングの際は真剣に一語も聞き漏らさないよう真剣に聴く必要がありますし、聞き漏らしても聞こえた範囲で内容を想像するチカラが必要になります。
たとえば母と子の会話文の中で、
子「明日は雨みたいだ」
母「明日は月曜日だから、雨だけど学校に行かないとね」
子「やだなぁ。家に居たい」
という音声を聴いて、状況をできるだけリアルに近く想像できるかどうか。
「時間は夜なのか?週末終わりで憂鬱な気持ち?たしなめる母?」
現実にありそうな状況が浮かぶかどうか。浮かぶほど記憶に残りやすく、その後に来る質問に答えやすくなります。
実際の質問は「今日は何曜日ですか?」と続きます。
聞こえた単語だけで記憶しようとすると「月曜日」と答えてしまいます。
リーディングも、文章だけから状況を想像できると正解しやすくなりますし、ライティングも与えられた条件からありそうな状況を想像し、自分の体験をふまえて書きやすい英文を組み立てていけます。
「書くことが思い浮かびません」
を避けられます。
当然ながら国語も想像力が必要
試験では、「心情の理解」がものすごく出てきます。
怒っている場面で「彼は怒っている」とは書かれておらず、発言、表情の描写、行動、まわりの反応などから想像する必要があります。
さらには、「怒っている相手に何か言おうか躊躇する人の気持ち」まで理解して問題に答えるような問題も出てきます。
ただこれも、日常にありそうな内容です。
怒っている先生と生徒だったり、生徒どうしのやりとり。
なぜ相手は怒っているのかを考える。その場ではわからなくても家で考えてたらわかったりする。
もちろん怒りではなく喜怒哀楽の感情、どれもありえます。
相手の気持ちをおもんばかることは、試験だけでなく日常も大事ですし、大人になってからも必要な能力ですよね。
本を読もう
あたりまえな結論ですが、本から学ぶことは多いです。
動画と比べて、映像と音声がなくなるので想像力が鍛えられます。同上人物の容姿、声質も人によって変わり、建物や風景も想像で補う必要があります。セリフや文脈から、喜怒哀楽の感情を読み取るチカラもついてきます。
「まずは漫画でも良い!」
と本を読む習慣がない生徒には伝えています。何も読まないよりは良いです。
「できれば文章の多い漫画ね」
とも伝えてます。
そうはいってもなかなか実践できない生徒は多いので、ヒーローズ草加校ではこの夏、塾内で想像力を鍛える取り組みを実施したいと思います。
(余談ですが、コアラが勉強する絵を創造するってスゴイと思います)